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Channel: よっちのよかいちブログ
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あなたはどちら派?

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子殺しの親、親親大変! 
ほんとにあった屑の親のおはなし

備前の国、池田藩の酉の町というところに、爺と婆が百姓をしながら住んでおりました。この爺と婆には子供が3人おったが、すでに上の女の子は嫁いでおりました。

随分昔のある年のこと、悪代官から息子が悪さしたと脅された爺と婆は大変困ってしまったそうな。爺と婆は大事な息子に田畑を守るためだからと言って、息子との約束を破り百姓の形に売り飛ばしてしまいました。

その後、爺と婆は残された下の娘に婿を取らして暫く一緒に過ごしておりましたが、数年もするうちに次第に不仲となり、気に入らない爺と婆はいつも愚痴をこぼしていたそうです。娘夫婦はついに家を出ることを決め、この爺婆を捨てて縁を切って暮らしておりました。何年かして、この娘婿は養子であったために離縁を望んで申し入れをしましたが、爺と婆は婿の離縁をそのままにしていました。

そうして二人っきりになった爺と婆は、いつも仲良く百姓をしていましたが、年々年老いて行くにつれ、老い先の身に心細さを感じるようになっていました。
娘婿夫婦には見放され、年老いて百姓を続ける爺と婆の話を聞いていた売り飛ばされた息子は、奉公先の年季が明けるとやっとの思いで故郷に帰ってきました。

親に売られた息子は、苦労する爺婆のその姿を見てこのままでは爺婆の余生がかわいそうと思ったものでした。そのうち、この息子は年老いた爺と婆の百姓を手伝うようになり、親子して米や野菜を作っては、せっせと売って爺と婆の暮らしの面倒を見ていました。
孝行息子はタダ働きで、百姓の儲けはすべて爺と婆の暮らしと百姓のことに当てていました。
こうして数年が経ったある年のこと、養子縁組をしていた娘婿が自殺をしてしまいました。
残された家族は納骨もしないまま三回忌を迎えようとする頃、爺巴婆は、すでに田畑の耕作権を孝行息子に譲り、後継ぎにすると決めて親族にも知らせていました。

秋も深まる頃、この息子は百姓貧乏から抜け出すために百姓の他にいい儲け口を考えつきました。ある商売を始めようと、息子は爺と婆の許しを得て店を作りだした。また、この機会に小さな孫がいるので、爺・婆と一緒にも暮らそうと思案していました。が、
いざ、店の工事が始まり出すと爺と婆は突然態度をひるがえしました。
商売は許していない、認めていない、店は出すな、工事はするな、一緒にも暮らさないと。
工事関係者にも嫌がらせをして、とうとう開店工事を中止させてしまいました。
そして爺と婆は孝行息子に家から出て行け!もう来るなと追い出し、屋敷の鍵も変えて締め出してしまいました。

困ったのは息子です。
屋敷への出入りも出来ません。行っても相手にされず無視、自分の持ち物も、作った米も取りに行けません、爺と婆の家の中です。田畑の耕作権も不正に書き変えられ、百姓も商売も出来なくなりました。怒った息子は色々の方法で対抗しますが地主、家主には勝てません、代官所へも通報され、取り調べもされました。
家老に相談して解決するには膨大な上納金も時間も必要ですが、屑のごとき親である爺と婆のためにこれ以上の身銭は切れません。

信頼していた爺と婆に嘘をつかれ、騙され、裏切られたのです。
とうとう百姓も、新規商売も、同居も、後継ぎ話も、孝行息子にはすべて無くなってしまいました。今までの百姓の苦労と、暮らしの面倒をみて来た経費や損害に対しても、爺と婆は白を切ります。

いろいろと困った息子はご先祖様に話へ出かけます。そして先祖の墓に参った時に、新しく墓碑に刻まれた婿養子の名と妹の赤い字が刻まれているのを見て、全てを理解しました。
孝行息子は真っ赤な血の涙を流しました。
爺と婆の余生を思ってして来たことを潰され、肉親に裏切られ、二度も切り捨てられたことを知らされました。

親の口約束は簡単に反故にでき、勝手に何でも決められるのですか?
どう責任を取ってくれますか?責任を取る必要は無いのですか?
この孝行息子はどうすればいいのでしょうか?
息子の気持ちはどう整理できますか?
あなたはどちら派ですか?

本当にあった 人間として屑の親のお話でした。

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